瀬戸内の宝「サワラ」

魚を紹介するシリーズが始まりました!

今回の主人公は「サワラ」です。

 

サワラは昔瀬戸内海でよく獲れた魚で、特に岡山県民の食卓には欠かせない魚でした。
しかし1990年頃から瀬戸内海の漁獲量は著しく減少しており、この原因は海水温の変化だと言われています。

 

瀬戸内海では過去40年の間に水温が1.5度ほど上昇。
春先の水温が以前より高くなったため、暖かい海水で産卵するサワラが以前より早く瀬戸内海にやってきているのです。

 

サワラが来るピークが早まり漁期とずれてきたのなら、漁期を早めればいいのではないかと思われるかもしれませんが、そう単純な話ではありません。
漁の期間は県が決めていて、これを変更するためには漁業者の意見をとりまとめて申し出る必要があります。

しかし、春のサワラ漁の直前まで別の魚の漁をしている漁師もいるため、サワラ漁のために合意を形成するのは難しいというのが現状だといいます。

 

サワラはサバ科に属する魚で大きく分けて5種類です。
本種の他にヨコシマサワラ・ヒラサワラ・ウシサワラ・タイワンサワラが生息しています。

サワラは出世魚で成長に従い下記のように呼び名が変わります。

サゴシ(40~50㎝)→ナギ(50~60㎝)→サワラ(60㎝以上)

 

サワラの寿命はオスが6年、メスが8年と言われています。
比較的成長が早く1年で40~50㎝まで成長し「サゴシ」となり、2年で60㎝にまで達し「サワラ」となります。

 

水温が上昇する春~秋は浅い海域を回遊し、冬場は深く潜ります。
普段は、は小魚や甲殻類を食べて生活しています。

 

名前の由来は、江戸時代の本草学者である貝原益軒(かいばら えきけん)が、長い体の魚で腹の部分がとても狭いため、「狭い腹」→「狭腹さはら」→「さわら」と称したとする説があります。
同様に「小さい腹」からサワラのことを「小腹」とも書きます。

他にも、植物の斑点のある葉を、「いさは」(斑葉)ということから、この魚の斑紋に着目して、
「イサハダ」(いさはのような肌)→「サハダ」→「サハラ」→「サワラ」になったという説もあります。

漢字は魚へんに「春」の「鰆」と書き、これはサワラが晩秋から初春の産卵期に多く獲れることに由来します。

 

淡泊な赤身のサワラですが、下記の栄養素がつまっています。
・DHA(脳細胞の活性化や脳の発達に働きかける)
・EPA(血液をサラサラにし、中性脂肪を下げる)
・ビタミンD(カルシウムの吸収を促進)
・ビタミンB群(神経の機能の正常化)
・タンパク質(筋肉細胞の維持、免疫力高上)
・ナイアシン(血行促進、冷え性改善)
・カリウム(細胞内の浸透圧を調整、むくみ防止)

 

いかがでしたでしょうか。今回は「サワラ」について紹介いたしました。

また次回お会いしましょう!

 

令和2年度第3次補正 事業再構築により作成

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